私たちが振付した曲の、振付に込めた想いやエピソードをご紹介しています。
今回は、SUPER☆GiRLS「忘れ桜」です。
仲の良かった2人が別の道を歩んでいくという卒業ソングの振り付けを担当させていただきました。
目次
イントロ
「忘れ桜」は、渡邉幸愛さんと阿部夢梨さんの2人がセンターを務めるWセンターの形をとっています。
どんな立ち位置でも安定感抜群の渡邉幸愛さんと色々な立ち位置を経験してセンターを任された阿部夢梨さんのWセンターはとてもエモいです!
そんなセンターの2人がまず離れて歩いて行くのですが、最初から最高の見せ場となっているので注目してください!
他のメンバーが中央で桜を作り、その陰から2人が別々の道へ歩いて行くという画にしました。桜を作っているメンバーはお互いに引っ張りあうことで斜めを作りバランスを取っています。
桜の儚く散る様子をイメージした振り付けになっています。
イントロでは満開に咲く桜ではなく、桜のちょっと切ない瞬間を全体で表現したので、ぜひ全体を観て楽しんでいただけたら嬉しいです。
1番のAメロ
♬ ねぇどうして 伝えたいことが多いと
1番のAメロ冒頭は渡邉幸愛さんが歌うパートなのですが、渡邉幸愛さんと阿部夢梨さんを対照的に見せたかったのであえて立ち位置を左右対象にしませんでした。
同じ振り付けですが真ん中から左右にメンバーを分けていて、メンバーに囲まれながら歌う渡邉幸愛さんが印象的になっています。左右で立ち位置の動き方が違うのでぜひチェックしてみてください。
♬ 特別な日なのに 君と笑ってばかりで
ここは阿部夢梨さんの歌うパートなのですが、周りのメンバーが踊りながら何度かペアで顔を合わせているのがとても可愛いのでぜひチェックしてみてください。
1番のBメロ
♬ いつもの道 いつもの服 ”いつも”じゃなくなるんだよ
ここでは振り付けの繋がりに注目してください。
「いつもの道」では、メンバーが道を作り、そこをセンターの2人が歩きます。
「いつもの服」では、歌うメンバーが服を差し出し、次のパートのメンバーが立ってその服を着るという振り付けになっています。
道を作る振り付けでは、石丸千賀さんの手のラインがめちゃくちゃ綺麗なのでぜひ観て欲しいポイントです。
♬ 喉の奥を流れてく 見えない涙
ここでは喉の奥を通り過ぎるモノを手を使って可視化しています。喉を通りすぎて勢い余ってぐるっと頭の上までいってしまうという振り付けです。
♬ 見えない涙
ここでメンバーが中央に集まって向き合い、サビで思いっきり桜を咲かせます。
1番のサビ
サビはBメロの続きで円の形から始まっていて、印象的な立ち位置になっています。
一度メンバーが顔を見合わせて、一気に満開になるのもポイントです。
♬ 桜が咲いているのも忘れて
ポップコーンっぽいですが(笑)、蕾が次々と花開いている様子を表しています。
そのあとは、「忘れて」を表現するために頭の上を両手でツルっと回して忘れている様子を表現しました。
♬ 君を夢中で見てた
ここのポイントは歌詞を振り付けで表現しているところです。
両手で同じ方向を指して、遠くに”君”がいるということをイメージし、「見てた」のところで眉のところに両手を持っていきます。
ここでも石丸千賀さんの表現力には驚かされました!
SUPER☆GiRLSさんは、曲調がキャッチーに寄ったものが多いのですが、今回の「忘れ桜」はそれとは違った雰囲気の曲になっています。なので、振り付けも緩やかなカーブを描くバレエチックな綺麗な感じにしました。
石丸千賀さんはバレエ経験者ということもあり基本が身についているので、とても綺麗に美しく踊っています!
♬ 今が大好きと言えば泣きそうで
センターの渡邉幸愛さんと阿部夢梨さんが相手に手を伸ばすのですが、”好きと言ったら泣いてしまいそう”なので走ってまた別々の方向に行ってしまいます。
♬ サヨナラなんて大嫌いだよ でも未来は悪くない そう信じたい
ここではメンバーが踊りながら、縦2列から少しずつ奥のメンバーが寄って行ってVの形に変わります。
おへそを意識しながらスカートが揺れる綺麗な振り付けにも注目してください!
「信じたい」では、両手を握って高く突き上げて信じている様子をイメージした振り付けにしました。
♬ 春風吹いて花びら 君に降りそそぐ
両手を左右に振って”春風”をイメージしたり、親指と人差し指で”花びら”を作ったりと歌詞を振り付けでイメージしやすくしています。
綺麗な腕のラインを使った華やかな振り付けが注目してほしいポイントです。
2番のAメロ
♬ ”貸してた本 今度返してくれたら良いよ”
ここでは各々が好きな本を好きな角度で読んでポーズを取っています。
「貸してた本 今度返してくれたら良いよ」と言う阿部夢梨さんの表情が本当に素敵で注目ポイントです。
2番のBメロ
♬ これから先 どうなるかな? 進み方 教わってない
歌を歌うパートが3段階に分かれているので、それぞれに戸惑いを表現してもらい、桜の木に”分からない”と言う気持ちを伝えているイメージになっています。
♬ 青い空を見上げては 手を繋いだ
「進み方 教わってない」で歌ったメンバーの後ろから渡邉幸愛さんと阿部夢梨さんがそれぞれ斜めに歩いてきます。
ここでは2人が希望を持って歩いてくる様子を表現しました。他のメンバーも空を見上げて指を指しています。
「見上げては 手を繋いだ」では、別の方向を歩いていた渡邉幸愛さんと阿部夢梨さん真ん中に走って手を繋ぎ、2人で後ろに向かって走ります。
歌詞を表現したエモい振り付けなのでチェックしてみてください。
2番のサビ
2番のサビの前半ではメンバーがほぼ横一列の状態で前に進んできます。
1番のサビは桜を表現した華やかな印象になっていますが、2番のサビでは泥臭い歌詞が多いので横一列で圧をかけながら進む事で歌詞のイメージを表現しました。
なので振り付け自体も力強いものが多いです。
後半は再び華やかな振り付けが多く、可憐な振り付けを繰り返しています。ここでも石丸千賀さんの足の爪先まで意識した高い表現力に注目してください。
間奏
間奏では渡邉幸愛さんと阿部夢梨さんを中心にメンバーが円を作ります。
周りのメンバーは”桜の妖精”をイメージして、渡邉幸愛さんと阿部夢梨さんの2人のストーリーが見えるような振り付けにしました。
Dメロ
♬ なれるなんて思わなかったね
ここでは渡邉幸愛さんと阿部夢梨さんが背中合わせになり、後ろで他のメンバーが一列になって手を繋いでいます。
正面で向き合うのではなく背中を合わせて、正直に言えない気持ちを伝えられたら良いなというメッセージを込めました。
後ろのメンバーは間奏と同じく、2人にエールを送る桜の妖精をイメージしています。
ラストサビの前(落ちサビ)
♬ 写真を沢山撮っておこう
メロディに合わせて4種類の自由なポーズを取ってもらい、みんなとの思い出の写真を撮る様子をイメージしました。
♬ ありがとう
メンバー全員に”ありがとう”の気持ちを言い合って欲しいという気持ちを込めて、斜めの立ち位置でメンバー同士が向かい合ってお互いにありがとうと言っています。
ラストサビ
♬ 桜が咲いているのも忘れて
ラストサビでも1番のサビと同じく円を作って内側を向きます。ここでも円になってメンバーに感謝を伝えるということをイメージしました。
アウトロ
最後は、溢れた涙が花びらになって落ちていくという振り付けで終了です。
MV撮影秘話
はじめ衣装の靴はヒールで行う予定でしたが、この曲や撮影のセット、メンバーの意見を考慮して裸足で踊ってもらうことにしました。結果的に大成功だったと思っています!
ヒールは履いているだけで綺麗に見えますが、裸足だと足先まで意識しないと行けないので意外と難易度が上がってしまいます。ちゃんと踊れるSUPER☆GiRLSだからこそ裸足で撮影することができました!
ライブで弾けて踊るには、振り付けをしっかり入れておく必要があります。
坂林佳奈さんはあまり振り付けを覚えるのが早い方では無いのですが、ライブでの弾け具合を見るに相当練習量積んでいるんだろうなという印象を受けました。
MV撮影の時には振り付けはもちろん完璧で、表情まで作ってきてくれていました!